『水の下の王国のサトコ（Sadko）』（1876年、ロシア美術館）

＜作品紹介＞
当時、ロシア文学として人気のあった口承叙事詩（ブィリーナ）群の一つである「ノヴゴロド圏ブィリーナ」を題材として、画家イリヤ・レーピンが物語における情景を描写した作品。

叙事詩のストーリーは、サトコという名の貧しい楽器弾きが、海の王の力を得て巨万の富を築くというもの。画面の右手に、物語の主人公であるサトコが描かれている。

サトコは商取引のために航海をしていたが、海の王に敬意を払わなかったために船が立ち往生する。海に金を投げ込み怒りを収めようとしても効果はなく、乗組員に海中に投げ込まれたサトコは（海の底、水の下の王国で）海の王のために楽器を演奏する。

本作品では、その返礼として主人公に新しい花嫁（妻とは別人）が贈られる場面が描かれており、画面中央において花嫁行列が明るく優美に表現されている。

一方、画面右手に立っているサトコは地上にいる妻と見つめ合っており、この後に浜辺で目を覚ました主人公は妻と再会する。

ノヴゴロドは１２世紀頃にロシア地域に存在し、民会式共和制におより統治されていた自由都市・商業都市であり、叙事詩にも支配者としての公権力は現れない（日本における堺のような位置付け）。都市の実力者は商人や僧侶であり、モンゴル民族からの襲撃も受けなかった。

なお、ノヴゴロド年代記における1167年の項に、ソドコ・スィチニツという人物の記述があり、その人物がサトコの原型だとする説がある。

印象派的な光と色彩の効果に着目し、叙事詩における幻想的な世界が美しく描写されている。画家自身は、作品に道徳的な内容が埋め込まれることを望んでいたと考えられている。

イリヤ・レーピン

＜画家紹介＞
1844年、ロシア人入植者の子供としてウクライナのチュグエフにて出生。イコン画家ブナコフの徒弟として修業を積み、サンクトペテルブルクに上京。ロシア帝国美術アカデミーで短期間学び、イタリアとパリに遊学。フランスの印象主義絵画に触れ、色彩と光における描画表現において影響を受ける。

作風はレンブラントのそれに近かった。当初、地方の庶民を主な画題としたが、後、ロシア帝国のエリート、および貴族や皇族も描く。上流階級の名士を描いた一方で、貧困や差別にあえぐ下層階級を題材としても作品を制作した。1870年代前半に制作した『ヴォルガの舟曳き』で名声を得る。1878年、自由思想を標榜する「巡廻美術展協会（移動派）」に入会。1882年以降はサンクトペテルブルクに定住した。

複製画　高画質デジタルプリント（画布）

107.6×76.6 cm（オリジナルの寸法323×230cmの約３分の１サイズ）

額に入れて発送

入金確認後、約1カ月後に発送

宅急便（送料着払い発送）

当サイトで販売している複製画作品は、高解像度の大型プリンターで画布（キャンバス）に出力した高画質デジタル・プリント複製画であり、また、一作品ごとに出来映えを調整した独自商品となっております。

具体的には、オリジナル作品の印象にできる限り忠実となるように寸法を調整し、また、美しい複製画作品となるように、仕上がりにこだわりを持って制作させていただきましたので、よろしくお願いいたします。

なお、複数の作品につきまして、現在のオリジナル作品の状態よりも、制作された当初の名画作品のイメージを想定、および優先して制作しておりますので、その点につきましてはご留意ください。

お届け時期につきましては、ご注文後、お選びいただいた額縁を制作し、３週間から１ヶ月位で作品を発送させていただきます。

当店は国内で事業を行っており、安心してご注文いただけます。それでは、ご注文を検討していただけましたら幸いです。

・画面上部の商品画像は作品と額縁の画像を合成したものです
・すべての作品画像は実際の作品（画布を木枠に貼り付けた状態）を撮影したものです
・規格サイズではないため、落札後に額縁を制作・発送させていただきます
・各作品の在庫はひとつとなり、品切れになった場合の補充は数ヶ月後となります（その際に色調等の微調整を行う場合があります）
・商品画像の額（１番、ゴールド系１）および、下記の中からご希望の額縁をお選びいただけます

・額縁には裏板、トンボ、アクリル板、吊りひも、額縁側吊り金具が付属します